うつ病や神経症を受け入れる方法

よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー) 明日からつかえるACT入門

よくわかるACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー) 明日からつかえるACT入門

 

登場人物:クライアント(依頼者)、セラピスト(心理療法士)

主にクライアントとセラピストの対話形式で具体的にどのような声かけを

行ってクライアントと信頼関係を結ぶのかというところから話が展開していきます。

著者の独特な言い回しや聞きなれない専門用語などが列挙されています。

 クライアントに対して過剰な負荷をかけてしまう事自体がストレスになったり

心理的に負担になってしまうという結果を生んでしまうと逆効果なので

その辺に留意しながらあくまでもクライアントの主体性を尊重する形で

話し合いを進めていきます。

 

この本にたどり着いた経緯

私は両親が警察官であり人間の精神やその心理について

幼い頃から考察する癖があった。その癖により悪意や犯罪心理などを看過するような

出来事をいろいろ経験して精神的に追い詰められることが頻繁にある。その際に

心理学を学習している過程で出会ったのがこの本である。

 

要約

機械論という考えをクライアントが行っている場合

人間に対しても機械的な解決策によって心理的な物事を

決定し結論づけしようといういままでの心理学の慣習を受け継いだ

方法論によって考えてします傾向があります。機械的な方法論では解決

できないかもしくは負担になってしまうというところに要点があります。

  

基本的にはクライアントが抱えている心理的な負担に対してどういう

アプローチを取るのが正しいのかという点をとりあげているので

クライアントが陥りがちな思い込みなどの解消に役立たせる

効果的な考え方を捉えるものです。

 

具体的な臨床方法について

フュージョン コントロールアジェンダなど詳しくは本書を参照。

 

ACTは心理的に負担のかかるポイントと日常必要となる自己憐びんについて

具体的な方向性がどういうものかという点において考えるものです。

価値と目標が区別ができない状態になり目標自体を見失ってしまうなど

生活していく上で見失いがちなポイントを具体的な例をとりあげています。

また負担に成るポイントにおいては具体的にどういう方法論が有り

どういうふうな考え方が有効なのかと説明されています。

  

継続的な行動により包括的な性質を保ちながら目標を達成することは

ACTの考え方を取り入れることにより可能になります。人間が抱えがちな

不安や恐怖などの感情と向き合いながらよりよい生活や質の高い意思を

正しい方向に導くにはどのような方法論があるのかについて200ページ

以上にもわたって列挙されています。たとえ神経症などの不安がないにしても

目標を達成するという意味で大変有効な考え方と臨床結果が示されています。

耳慣れない言葉がたくさんありかもしれませんがもしわからないところがあるの

でしたらわたしのtwitterに連絡いただければ多少はお役に立てるかもしれません。

 

 (以下 本書より抜粋)

 

ACTのねらい(P.11抜粋):クライアントとクライアントが持つ思考や感情との関係を

根本的に変え、好ましくない思考や感情を「症状」と捉えないようにすること。

 

クライアントが陥る機械論モデルについて(P.57抜粋)

1.機能不全、適応できない、合理的でない、ネガティブなどの言葉。

2.これらの言葉が表す好ましくない言葉や感情を直接減少、交換

除去する道具や技術の使用(生活の質の向上のため)

 

クライアントとの信頼関係に関する注意事項(P.66抜粋)

心を開き、真摯な態度でマインドフルの状態で、相手を思いやり

また重んじ自分自身の価値を常に意識しながらクライアントに接すること。

 

臨床的問題の本質(P.88抜粋)

悩みや苦しみの生活

1.過去や未来の厄介な思考や感情に囚われつらい感情、感覚や苦悩を生きる。

2.最終的に足かせとなるか生活を悪化させるようなことをする。

豊かで有意義な充実した生活

1.厄介な思考や感情を扱う方法を覚え現在を生きている。

2.価値を明確にし、有意義な目標を設定する。

 

何が大切かを知る(P.318抜粋)

価値とは

人生でこれをしたい。

これを大切にしたい。

こんなふうに行動したい。

というふうに言葉にしたものである。

 

継続的な行動と目標(P.321抜粋)

どのように行動したいか

何を続けていきたいか

例 気遣うこと 与えること 分かち合うこと 尽くすこと 

健康を保つこと いい友達でいること 正直でいること

 

包括的な性質(P.322抜粋)

性質

例 上手に。下手に。元気いっぱいに。やる気なく。

包括的

行動に含まれる多くの要素を一つにまとめるもの。

※以上 本書より抜粋 (russ harris  2012  P.11P.57P.66P.88P.318P.321P.322)